絶望読書(頭木弘樹) レビュー

読了。

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本書メモ

絶望は瞬間ではなく期間であり、絶望の時をどう過ごせばいいのかがテーマです。

絶望してもすぐに立ち直る必要はないけれど、寄り添ってくれる本がある事で心の支えになると全体を通して語られています。

絶望を分類し、それぞれの絶望について著者が実際に救われる経験をした本が紹介されています。

絶望はどんな人にとっても訪れるものである。思い返せば私もその連続でした(今もいくつか…)

大人になって「それが当たり前、そんなもん」とあまり考えなくするスキルもつきましたが、反対にうまく怒りや憎しみを消化出来なくなってきたきたなーっと思う事も多い。

そんな絶望の期間に、絶望の本、ドラマ、落語等の物語をオススメするという趣旨で具体的に紹介とレビューがあります。

内容

「自分自身の十三年間の絶望体験をもとに、
絶望の期間をどう過ごせばいいのかについて書いてみました。
過去の自分がそういう本を読みたかったからです」―本書まえがきより

〈目次〉
はじめに 絶望したとき、いちばん大切なこと

第一部 絶望の「時」をどう過ごすか?
第一章 なぜ絶望の本が必要なのか?
──生きることは、たえずわき道にそれていくことだから
第二章 絶望したときには、まず絶望の本がいい
──悲しいときには悲しい曲を
第三章 すぐに立ち直ろうとするのはよくない
──絶望の高原を歩く
第四章 絶望は人を孤独にする
──それを救ってくれるのは?
第五章 絶望したときに本なんか読んでいられるのか?
──極限状態での本の価値
第六章 ネガティブも必要で、それは文学の中にある
──非日常への備えとしての物語

第二部 さまざまな絶望に、それぞれの物語を!
第二部のはじめに 絶望にも種類がある
太宰治といっしょに「待つ」
──人生に何かが起きるのを待っているという絶望に
カフカといっしょに「倒れたままでいる」
──すぐには立ち上がれない「絶望の期間」に
ドストエフスキーといっしょに「地下室にこもる」
──苦悩が頭の中をぐるぐる回って、どうにもならない絶望に
金子みすずといっしょに「さびしいとき」を過ごす
──自分は悲しいのに他人は笑っている孤独な絶望に
桂米朝といっしょに「地獄」をめぐる
──自分のダメさに絶望したときに
ばしゃ馬さんとビッグマウスといっしょに「夢をあきらめる」
──夢をあきらめなければならないという絶望に
マッカラーズといっしょに「愛すれど心さびしく」
──自分の話を人に聞いてもらえない絶望に
向田邦子といっしょに「家族熱」
──家族のいる絶望、家族のいない絶望に
山田太一といっしょに「生きるかなしみ」と向き合う
──正体のわからない絶望にとらわれたときに
番外・絶望しているときに読んではいけない本

あとがき 立ち直りをどうかあせらないでください!

面白かったポイント

いかに「人に物語が必要か」という例えがたくさん出てくる。著者は、子供は「本を読んで、お話を聞かせて」と物語を欲するが、大人は欲さないという例えの中で、ホヤ(海の中にいるやつ)の話をあげています。

「ホヤは適切な場所を見つけ、根をはると脳は不要になるため食べてしまう。

大人になると、必要な物語を手に入れて、そこに根を生やし、もはや他の物語を必要としない。」と。

グっときました。自分の物語=自分で書いた脚本通り生きるのに必死だったり、満足してしまいその他の刺激は不要と欲さなくなるのかなーっと自分を省みて納得してしまいました。

そうやって諦めの中から夢や希望をどんどん捨てていくのだろうと。

また、絶望を迎えた時、人は誰でも人生の脚本を書きなおす事が必要だが、絶望の物語が自分にあればそれに救われ、書き直しも容易であるという。

著者の難病の闘病の経験から共感の大事さと、同じ病を患っているにも関わらず病の病状や重さから嫉妬や反感が生じる事もあるという、人の感情の難しさをリアルに感じました。

私は今、絶望や挫折の中にいるわけではありませんが、色々考えさせられたのと、もっと様々な本に触れようと思いました。

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